大小の違いはあれど岩しかない、荒涼とした大地。
 明けか暮れか、判別しない薄闇の空に月はなく、星もない。
 風もない無音の場。
 何処とも知れぬこの場において、唯一つの影が其処に在る。
 椅子を模した岩に腰掛けた彼の者は、肘をついて眠っていた。
 その容貌は、ともすれば作り物のように美しい。
 閉ざされた瞼から伸びる睫毛、形の良い鼻梁、しっとりとした唇。
 性差の乏しい身体が纏う衣は群青で、足下まで届くぬばたまの黒髪が流れる。
 黒色の肌も相まって、景色に溶け込みそうな色合いではあるが、彼の者の周囲には、この異質な場にも薄れることのない、華やぐ色香が漂っていた。。
「…………ぅん」
 不意に、唇から吐息が漏れた。
 音程は身体同様に、性別を判然とさせぬ高さと低さを持つ。
 目覚めを予感させる音は、長い睫毛を震わせると、銀に蒼を混ぜた瞳を露わにさせた。
「……眠ってしまったか」
 呟き、緩慢に頭を巡らせる。
 左右を見渡した彼の者は、空を見上げるなり「ふむ」と頷いた。
「未だ誰も来ず……いや?」
 そう呟いた時、見計らったように空の一部が動いた。
 黒い光を放つソレは、早い動きで彼の者の側まで降りると、甲高い声を上げた。
「おお、智睡(チスイ)よ、目を覚まされたか」
「鳴安(メイアン)……その物言いということは、もしや待たせて?」
「いやいや。待つも何も、主(ぬし)と儂以外、揃ってもいないぞ。香妙(コウミョウ)も封華(フウカ)も、今もって音沙汰なしよ」
 浮遊する黒い光――鳴安は、呆れを含んだため息をしつつ、ふるふると震えた。
 これを受け、彼の者――智睡が思案げに、長く細い指の背で顎を擦った。
「ふむ。封華はさておくとしても、香妙が来ぬことには、と思ったが」
「遅いぞ、香妙」
 智睡と鳴安の声に呼応するように、空の色が明るくなる。と思えば、智睡が仰ぎ見る先に光の輪が刻まれた。そこから聞こえてくるのは、鳴安よりは低い、子どもの声。
「やかましい。主と違うて妾は忙しいのじゃ。とはいえ、待たせたのう、智睡。息災か?」
 輪の中に金の光が充満し、収束すると同時に現われる、白く輝く毛玉。
 鳴安同様、宙に浮く毛玉――香妙は、智睡の頭の上に降りると、下を覗く風体で丸い身体を折り曲げた。
 智睡はこれを慣れた様子で見つめながら答える。
「久しいな、香妙。余は見ての通り、以前と何ら変わりはない。無論、封華の奴もな」
「それは重畳。して、その封華は何処に?」
 頷くように一つ揺れた香妙は、折った身体を戻しがてら智睡の前に浮くと、左右に身体を捩った。何も知らぬ者が見れば、空飛ぶ絞られた雑巾だが、香妙と旧知の智睡は何と思う心もなく首を振る。
「アレのことは放ってくれて構わん。大方、此処へ来るのが面倒になったのだろう。幾度となく開いておるこの場にも、顔を出したのは二、三度。それすらすでに遠い始めの頃の話となれば、今更頭数に入れる必要もなかろうて」
「さもありなん。この会話とて、毎度のことよな」
「うむ。……しかし、久しく会ってないからのう。いつかは目にしたいものよ」
 智睡と鳴安の考えには同調しながらも、名残惜しそうに身体を捩り続ける香妙。
 この様子に目を細めた智睡は、口元にたおやかな笑みを浮かべた。
「ふむ? では、近々貴公の住居へ連れて来ようか? ついでに一時そちらで預かって貰えると、こちらの気も休まるのだが」
「それはさすがにご遠慮申し上げる」
 身体をまんまる毛玉に戻した香妙は、智睡の提案をきっぱりと断った。
「儂らはさておき、子らが惑わされよう。封華は此処でこそ立場は弱いが、野に放てば厄災よ。しかもあの気まぐれは、こちらにも予想がつかぬ」
 先程とは打って変わり、香妙の意見に賛同した鳴安が、毛玉の隣で黒い光を震わせた。
 智睡は苦笑でもってこれを迎えると、軽く首を振った。
「なに、冗談だ。さて、挨拶はこのくらいにして本題に入るか。……貴公らの話を聞いておると、段々、この場におらぬ彼奴に不安を覚えてきた。少し寝入ってもしまったゆえ」
「それはそれは。確かに、妾も此処に赴くまで、多少時間を要してしまったからな。子らの様子も気に掛かる」
「いや、儂はちと遅れたからな、香妙が案ずることはないぞ? 子らに変わりはない。だが……智睡の方となるとな。早めに終わらせるか」
「かたじけない」
 白い毛玉と黒い光球の気遣う声音に、智睡が目を伏せ軽く頭を下げる。これに白と黒の両方が、気にするなと言うように身体を震わせた。
 そうして早速本題に入るべく、香妙が声を発した。
「とはいえ、此度の調停者の言には、少々、気に掛かることがあってな――」

*  *  *

 ふっと目が覚めたなら、壁に映る影。
 壁の中に造られた寝台の壁に映る、というややこしいソレは、横たわる主を窓から注ぐ朝日より守るもの。
(……もう朝)
 長い黒髪を緩く結い、薄着に薄布を被せた格好で眠っていた瑪瑙は、意識するなりじっとり絡みつく夏の湿気に身を捩らせた。
(あー……起きなくちゃ)
 いつもであれば、このまま二度寝に耽る瑪瑙。いや、そもそもいつもを語るのであれば、この時間はまだ彼女の活動範囲内。寝るのはその後だ。それが規則正しく夜に寝て、朝に起きるという、瑪瑙にとっての異常事態に陥っているのは、偏に今が夏で、眠れる気温が昼間にないため。薬師という職業柄、不慮の事故を防ぐ意味でも、睡眠を疎かにしてはいけない、それゆえの起床時間。
 とはいえ、不規則上等の瑪瑙である。
 悪あがきのていでごろりと寝返りを打っては、白く爛れた顔の右半分を追うように左半分を敷布に埋め、意味もなく擦り付ける。
 暑かろうが、お構いなしに隣で寝ていた佳人は、今頃朝食作りに勤しんでいることだろう。証拠に、元々薄い彼の香りは敷布に感じられず、温もりの跡もない。
(……孔雀が起こしに来るまで、寝ちゃおうかな)
 どうせすぐにご飯にありつけるわけでもないし、と仕事以外には概ね無頓着な瑪瑙は、左目をおもむろに自室の扉へと向け――
(え…………?)
 目にした光景に、黒い瞳を大きく見開いた。

 そこには、件の佳人、孔雀が立っていた。

 朝日に煌めく長い金髪、覗く横顔は優美な輪郭を描き、ライラックピンクの瞳は色の明るさに反して宝石のような冷たさを含む。そこから続く上半身は、金に埋もれても均整が取れていると分かる背で、左半身に刻まれた黒い刺青の不気味ささえ、意匠のように見えてしまう。
 丸窓から差し込む陽に、己が手を翳し眺める姿は、一幅の絵画のように美しい。
 だが、瑪瑙の瞳を開かせたのは、そんな孔雀の常ならぬ様子ではなかった。
 もちろん、調理に精を出していると思っていた彼が、その場にいたという驚きでもない。 彼女が目を見張ったのは、ただただ、孔雀が陽光に透けて見えたため。
「孔雀!」
 思うが否や、寝ていた身体を無理矢理起こし、足が追いつくのも待たずに手を伸ばす。
 感じた程には距離のない位置で、瑪瑙の手がぺちっと孔雀の肘を捉えた。
「ふぇ? め、瑪瑙?」
 孔雀は突然のことに肩を竦めると、これまでの優美さの一切を忘れた、いつもの調子で困惑を向けてくる。
(良かった……)
 安堵の息が零れた。
 それと同時に、何故あんなにも自分は焦ってしまったのか分からず、瑪瑙の眉が寄った。
 次いで訪れる理解は、現状の不可解な構図。
「あー……のね、孔雀」
 さあ困った。
 ――貴方が消えてしまうと思ったから。
 一言で言ってしまえば、そういう理由から起こった状況なのだが、焦っていた時ならいざ知らず、一端冷静さを取り戻してしまった口には難易度が高い。
 寝ぼけ頭の勢いで、わざわざ名前を呼んでまで肘を掴んだのだ。
 しかも相手は詮索が嫌いどころか、好んで人の地雷を踏み抜こうとする孔雀。ヘタな誤魔化しは聞かないだろうし、万が一にも本音を漏らせば、こちらの羞恥心などお構いなしに、同居人へ自慢することだろう。そして、この家の主である彼女は、人ン家でなどと呆れつつも、微笑ましそうに見てくるのだ。
 冗談ではない。
 そんな未来は御免被る。
 今は夏だ。蚊がいたとでも言ってやれば良い。
 なんて素敵な言い訳。これはいける。
 ここまでの瑪瑙の思考時間、コンマ下に並んだゼロは尋常ならざる数。
 あとはこれをそのまま表に出せば良いだけだ。
「ごめん、蚊が――――あっ!!?」
 いて、と続く間もなく、瑪瑙の視界がぐるりと回った。
 背中を打つ寝台に、何と驚く間も与えられず、上から金の糸が垂れてくる。
「ふふ……嬉しいな」
「く、孔雀?」
 頭よりも先に察した身体が強張り、黒い左目に妖艶な笑みを携えた男が映る。
 押し倒された――
 遅れてやってきた理解に行動するよりも早く、投げ出された両手の指に、細く長い指が絡みつく。縫い付けられた上半身はそのまま、足を動かし身を捩るも、ゆっくり沈んだ片膝が進行を塞いだ。
「恥ずかしがることはないぞ、我が君。知らぬ仲でもなし、長く寝所を共にしておれば、時に求めたくもなるのも男女の常」
「ち、違っんんっ」
 否定する言葉は互いの口の中に溶けた。
 振り払おうにも、重ねた勢いの割に柔らかいソレは、慣らされて久しい頭を留め置く。
 嬲れる唇に負けじと応えること数度。
 染まる頬を置き去りに、再び眼前で笑んだ美貌は、
「――まあ、こんな朝っぱらから誘われるとは思っていなかったけどぉ」
 一転して、甘ったれた声を出してしなを作った。
 瑪瑙が虚を突かれた顔になれば、これを知らない様子の孔雀は続けて言う。
「俺としてはぁ、ぷらとにっくを貫きたいところだけどさあ? 愛する君に求められちゃ、男として応えない訳にはいかないでしょお?」
(っ、コイツ!!)
 キャッキャッと無邪気に笑う様は、こちらの気持ちを知らないどころか、分かっててやっていることに気づいた瑪瑙。しかも、陰りの中で喜色に輝くライラックピンクは、こちらの反応を愉しんでいる節さえあった。
 戸惑いながらも、彼を受け入れ、頬を赤らめる瑪瑙を。
 加えての姿勢は、まるで彼が上、瑪瑙が下であるかのような関係性を匂わせており、これが余計癪に障った。
 別に彼の上に在りたい訳ではない。
 ただ、下に見られるのが腹立たしいだけだ。
 驚き、心配、不安、焦り、ほんの少しの恐怖、淡い熱病――そして、怒り。
 短い間にめまぐるしく通り過ぎた感情は、瑪瑙の奥歯をカチリと鳴らさせた。

*  *  *

『で、この様かい』
 椅子に座り、腹を抱えながら卓に突っ伏す頭へ、カァ子は黒く立派なくちばしをゴスッと打ち付けた。
「いだっ!? か、カァ子さんが突くなんて酷いっ! 俺を突いて良いのは瑪瑙だけなのに!」
『……その瑪瑙の仕打ちに、メソメソグチグチ泣いていた奴が言うことかね』
「ううぅ……」
 孔雀が顔を伏せたなら、その頭を黒い足でゲシゲシ踏みつける。
 カァ子と孔雀、二人が属する利と理の者の因縁は根深いが、同居を許して早数ヶ月。ここまで無下に扱ったことはなかっただろう。
 それほどまでに、今回の孔雀の行いはカァ子を苛立たせた。
 カラス姿の野太い声の持ち主だろうとも、齢300を数えようとも、カァ子は年頃の娘である。寿命は違えど、同じ人間の括りの、同じく年頃の娘である瑪瑙の気持ちを思えば、どれだけ蹴っても蹴り足りない。
 とはいえ、そんな孔雀のことを瑪瑙がどう思っているか、本人に否定されたところで知っているカァ子。暴力に走ろうとも、入る力は見た目ほど強くはない。
 あくまで、見た目ほど、だが。
『まったく、ぷらとにっく、とやらはどうしたんだい? 瑪瑙に手ぇ出したら殺しちまうんだろ? それとも、あの宣言はそんなにも薄っぺらいものだったのかい? こ・の、すっからかんの頭みたいに』
 区切りに併せ、くちばしを再び打ち付ける。
「そ、そんなこと言ったってぇ……す、据え膳食わぬは男の恥――――ったぃ!!?」
 涙目で、てへっと恥じらいながら上がった声を、今までで一番強く打つ。
 無言の一打は余程効いたのだろう、手の位置を頭に変えた孔雀からは軽口が消え、呻きだけが漏れる。
『いいかい? 今回は、それでもアンタを許した瑪瑙に免じて、これくらいで勘弁してやるが、次、同じことをしたら、家主として追い出すからね。分かったかい?』
 金色の髪を摘まみ、クイクイと軽く引っ張るカァ子。
「…………………………はい」
 か細い返事には、恨めしげな音が多分に含まれていたが、カァ子は咎めることなく、『よし』と孔雀の髪を離した。
 孔雀のこの態度には察しがついている。利であることも然ることながら、自分よりも長く瑪瑙と暮らしているカァ子に未だ嫉妬しつつも、事、家に関して頼らざるを得ないため。
 早い話が、家事全般をこなせる器用者で、カァ子以上のコトワリの力を扱える孔雀にも、出来ないことがあったのだ。
 それが、ゼロから何かを造る、ということ。
 カァ子も、一族の者なら幼子でも早い段階で出来る、変化を苦手としていた。
 ゆえに、理解出来る孔雀の悔しさに自身を重ねたなら、言える指摘は何もない。
 たとえば、孔雀に家が造れたところで、あの瑪瑙が大人しく引っ越すか、という慰めにも似た軽口さえ憚られた。
 気まずさから、くちばしの端を揃えるように卓を突く。
「ところでさ、カァ子さん」
 すると、そんな彼女の気配りなぞ知らないどころか、直前の忠告さえ忘れた声が孔雀からやって来た。
『……何だい?』
 思わず卓を突き刺しそうになったカァ子から、低く唸るような声が漏れる。
 一応、これまでの付き合いから、カァ子の説教、特に瑪瑙関係はしっかり聞き入れているため、反省していない訳ではない……はずだ。
 それでも、こちらの言葉が何も響いていない様子に首を振れば、やはりカァ子の仕草など目に入っていない孔雀は、珍しく気難しい顔をして腕を組んだ。
「瑪瑙なんだけどさ、時々すんごい力出すよね? さっきも腹にもの凄い一撃食らったし。実は格闘経験あるの?」
『ああ、アレか』
 孔雀の言う「時々」には目の上をピクリとさせつつ、カァ子は瑪瑙がいる自室の方を見た。尤も、浮かべた姿は彼女と彼女の師に連なる、別の稀人のものだが。
『あたしも詳しくは知らないけどね。瑪瑙みたいに、中央ってとこと繋がりのある稀人は、護身用の何かを持っているんだと。聞いた話じゃ、その稀人に適したモノらしいが、瑪瑙なら薬ってところじゃないかね。アンタの話と併せりゃ、一時的な筋力増強の』
「ふぅん? でも、薬を使っている様子はなかったけど」
『なら、外から分かりにくいところに仕込んでんだろ』
「外から分かりにくいところって?」
『そうさねえ、たとえば――』
「孔雀!」
 カァ子が『口の中とか』と続ける前に、瑪瑙の鋭い声が空気を震わせた。
 隠しようのない怒気を含んだソレは、彼女の機嫌が悪いままであることを示していたが、途端にビクつく孔雀とは反対に、カァ子は面白そうに白い目を歪ませた。
『さて、御指名だ。そうそう、なんなら瑪瑙本人に聞けば良いよ。さっきも言った通り、あたしは聞いただけで正確じゃない。せっかくお呼ばれしてんだから、楽しいオシャベリしておいで』
「うう……カァ子さんに言われなくても行くけど…………カァ子さんのいじわるっ!!」
 ライラックピンクの瞳を涙で揺らしながら、絶世の美女も裸足で逃げ出す美貌が、眩い金髪と黒い衣を翻して去っていく。
 これを笑いながら見送ったカァ子は、見えなくなったところで大きな息をつくと、未だ不揃いの羽先で頭を掻いた。
(やれやれ。結局のところ、奴さんのペースだねえ)
 先の一件でその正体を訝り、心持ち孔雀から一定の距離を取っていたカァ子。
 それが此処に来て、以前の通り、粗雑な扱いが出来たのは、カァ子に対する孔雀の接し方が何一つ変わらなかったからだ。買い被りかもしれないが、あれでもカァ子より長く生きている身、こちらの迷いに気づいて、道化を演じていてもおかしくはない。
 無論、それもこれも全ては瑪瑙のため。
(……瑪瑙のらしくない行動も、あたしのせいかも知れないからね)

 ――寝起きの瑪瑙にいきなり掴まれた。

 そこから孔雀が起こしたコトは制裁ものだが、そうなってしまった一因は、自分にあるのかもしれないとカァ子は考えていた。
 以前、瑪瑙の前で口にした、孔雀の正体への疑問。
 ああ見えて瑪瑙は繊細だ。あの時は会話の一部として流した話でも、頭の片隅に残っていたかもしれない。それが今朝になって、何らかの形で彼女の不安を煽ってしまった。大いに考えられる話だ。
(まあ、だからって、何を見ただの尋ねるのは、それこそ野暮ってもんだろうが)
 自分に出来ることと言えば、考えても詮ないことと諦めて、前のように孔雀と対等以上の立場でいがみ合うことくらい。
 そう結論付けたカァ子は、再び何かしらで瑪瑙を怒らせたらしき孔雀を、心底呆れた顔で迎え――

 その内容を聞いては、やはり買い被り過ぎかも知れないと、孔雀に背を向け大きなため息をつく。

 

 


あとがき
最後に孔雀が何を言って瑪瑙を怒らせたかは、ご想像にお任せします。

UP 2019/10/28 かなぶん

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