吟遊詩人と瓶詰め妖精

 

場所

 

ザウターク大陸

地図を広げて右側の大陸。魔力や法力の類に長けている。
自然豊かで未開の地が多いと思われがちだが、拓かれていない地は妖精の縄張り。
昔、禁忌に触れて一番被害の大きかった土地柄、人間が開墾することはほとんどない。
それでも大国であるラフトを始めとした都には、文明が栄えている。
特徴として、史実の中、幾度か人間に魔物の血が混じるため、総じて出身者は魔力が高い。

 

フェルシュ大陸

地図を広げて左側の大陸。科学や知識の類に長けている。
自然は豊かであるが、一部に荒野や砂漠、機械で補われた森が存在する。
それらは妖精や魔物から「死地」と呼ばれている。禁忌ではなく、人間の行いによって現状に至る。
大国にウィッセンを内包し、多くの学者を輩出している。
特徴として、大小問わず、全ての国に研究機関があり、三大陸中、一番人間が栄えている。

 

ウィッセン国
フェルシュ大陸の中で一番の大国であり、特徴違わず機械産業で成り立っている。
王制ではないが、トップに君臨する頭脳集団は、国名でもあるウィッセン一族が多い。
大陸中の研究機関が軒を連ねているため、初めて訪れた者はこの国を「針の国」と評す。
物の流通は激しいが、どれも学者を育む必要性重視で、脇道に逸れそうな娯楽の類が少ない。
研究こそ娯楽という学者にとっては優れた国だが、観光で訪れれば退屈が約束される。

  

エンテ村
ウィッセン国の辺境に位置する村で、自然に囲まれている。
多くの学者の家族が住まう村でもあり、井戸はなく、各家に水道が引かれている。
土地柄、食は豊富。

 

 

種と職

 

人間

世界の半分ほどを占める種。
昔は地上の支配者を気取っていたが、他種族の禁忌に触れてしまったため、一度滅びかけた。
以降、教訓から他種族との交流を盛んに行い、そこそこ繁栄している。
剣術・魔術等に秀でるには努力を伴わねばならず、実は他種族から努力の種と賞賛されていたり。
が、調子に乗りやすい面があるため、賞賛されている事実は知らされていない。
性質は善人悪人が半々、といったところ。

 

吟遊詩人
各地を転々と巡り、伝説を謳う職業。
その正体は、賢者とも世捨て人とも噂されるが、どれも噂止まり。
詩に力のある者は、楽器を用いず紡ぐことが可能。
魔力の類は本来持ち合わせず、腕力も乏しいため、大抵従者が付き添う。
中には人を魅了することで、堕落させる者もいる。

 

術遣い
行使する力の属性が何であれ、総称して術を扱う者をいう。
一目で分かる特徴はないが、術遣いのみ、本質の名を持つ。
他種族にも術を遣う者はいるが、名称があるのは人間のみ。
ほとんどの者はこれを職とせず、本職を助けるための補助として遣っている。
このため、術のみに長けた者は根暗である、というのが世間の常識。
 
学者
トレードマークはいつでも白衣。
大抵はどこかの研究機関に所属し、日がな一日屋内で何かの研究に明け暮れる。
時折寝食を忘れて没頭し、死ぬ者もいるが、その死に顔は・・・至福の境地。
志の高さ・低さは、あまり研究の成果と比例しない。
助手の多さ・少なさも、研究の善悪と比例しない。
昔、毒に魅入られた一人が多勢の助手と共に散布した際、これを救った学者は助手が一人もいなかった史実がある。

 

占術師
各地を転々と巡る、占いを主とする術遣い。女が多い職だが、男も稀にいたり。
個々人の能力の差が大きく、中には生計を立てるために身売りする者もいる。
大抵が国や貴族のお抱えになることを望み、安定した収入を得ようと躍起になっている。
しかし、真に高い能力を持つ者は、気ままな暮らしを望む。
一見さんを言葉巧みに捉まえ、詐欺師紛いに徹する者も多い。

 

妖精

世界の各地に隠れ住む種。自由を愛する勝手気ままな性格が多い。
昔、人間から乱獲され、今も度々商品として扱われるため、人間の種自体には好感情を持っていない。
ただし、元々好奇心旺盛な性質を持つため、捕縛目的だろうが、迷い込んだだけであろうが、こっそり観察したがる。
とある妖精曰く「見つかるか、見つからないか、このギリギリのスリルが堪んない」らしい。
生まれ方は場所により異なるが、姿形はどれも似通っており、長い耳と背には、地において翅、水において鰭を持つ。
愛くるしい顔立ちが多いが、平均年齢は種の中で群を抜いて高い。

 

毒の妖精
妖精が暮らす域では影響はないが、一度世に出れば、他を侵食し滅する存在。
決まって純粋なため、自身の力に怯えて、隠れ住むか死を選ぶ。
このため数はそれほど多くない。
世を害するには、外気に触れる、生物に触れる等、若干の違いがある。
彼らを用いた禁呪も存在するが、扱いがとてつもなく難しい。

 

魔物

魔力と異形を得た生物。生まれつき魔術の才がある。
形は一定せず、どれも自由気ままに暮らしている。
食物の好みは伝承等では人間とされるが、これも形と同じくバラバラ。
中には他種族との交わりを望み、知らず潜伏する物好きもいる。
長寿と丈夫さのためか、子を授かる確率が低い。

 

モドル


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