各話紹介
奇人街狂想曲
あらすじ |
いつの間に眠ったのか。綾音泉がそう思い、目を開けたのは見知らぬ場所。
混乱する泉の前に、この場所――芥屋の店主を名乗る男・ワーズが現われる。
次に移動できるのは早くても一ヶ月後……
奇人街というこの奇怪な住人や化け物の住む街で、果たして泉は生き残ることができるのか。
何より、帰ることが出来るのか。
元凶であるワーズに雇われ、芥屋の従業員となった泉の受難は続く。 |
繰り糸囃子
あらすじ |
人形師の世話役をしている小春は、冬の日、訪れた寄り添う男女に見とれてしまう。
この二人を連れてきた父によると、男の方は、今までお世話をしてきた人形師の弟子だという。
父に頼まれ、同じように世話を頼まれる小春。
無愛想な男と柔和な女に、微笑ましさを感じながら案内したのは、彼らが暮らすことになる家。
しかし、そこで小春は笑みを絶やさぬ女が、人形であることに気づく。 |
吟遊詩人と瓶詰め妖精
あらすじ |
吟遊詩人を営むアルト=パウムは、かねてからの捜し物を求め、静寂の森へ訪れる。
”交渉”により、森の主との謁見に成功した彼は、待つ間に、一人の妖精に出会う。
捜し物以上にアルト=パウムの心を捕らえる妖精・イシェル。
世に害なす存在である彼女に、アルト=パウムは手を差し伸べる。
「私と共に来る気はありませんか?」と。 |
一夜のジョーカー
あらすじ |
shortの「一夜のジョーカー」参照。
設定等、shortとは若干違う箇所がございます。
大体こんな感じと捉えて頂ければ幸いです。 |
鬼瓦さんと愉快な元・動植物たち
あらすじ |
むかしむかしっぽいお話です。
あるところに学者を自称する金髪碧眼の娘さんがおりました。黒髪黒目が多数を占めるのと、彼女の名字が鬼瓦であるため、町人からは鬼さんと呼ばれています。自分で学者と言うくらいですから、そこそこ頭の出来がよろしい鬼瓦さんの下には、厄介事が持ち込まれます。
ある時、いつものようになんの断りもなしに届けられた、馬鹿デカい桃。
これを解明すべく、鬼瓦さんは三匹の動物たちに食べるよう指示しました。
どんな結果になるとも知らず。 |
三歩下がって踏んづけて
あらすじ |
正義の味方を気取る気はないが、結果的に悪漢から美人を助けた薬師の瑪瑙。
翌日、来訪者を知り、おざなりの支度を整えていると、見知らぬ人物が背後から抱きついてきた。どうにか引っぺがし、その顔を見てやれば、すっかり忘れていた、昨日の美人さん。
女だとばかり思っていた彼・孔雀は言う。
昨日初めてあったばかり、且つ、未来という前提もなく。
「貴女の夫です」と。 |
部屋と私
あらすじ |
ある日、部屋の壁に傷がついているのを発見した「私」。
これを修復し、迎えた休日。何やら纏わりつく”視線”を感じていたなら、誰もいない部屋から声が。
最初は怯えていたのだが、縋る”視線”と心地良い声に絆された「私」は、自身を「部屋」と名乗る声の主の話を聞く。
そうして出した結論は、自分が病んでいるのではないか、という疑い。
自分の存在を信じて欲しいと訴える「部屋」を後にした「私」は、思いつく限りの病院を手当たり次第に当たってみるが…。 |
魔術師のいろは
あらすじ |
”邪悪なる魔術師に毒された世界を救うため、異世界より召喚された一人の少女。
程なく世界は少女の力によって救われ、守護の任に就いた聖騎士は彼女を見初めて妻にと望む。賢王の許可と祝福を受けし二人は婚姻の儀を執り行うが、邪悪なる魔術師が現れ二人の前で再び世界を呪い始めた。これを止めるは少女唯一人。己が身と引き換えに邪悪なる魔術師を封じた彼女は、聖女として崇め奉られ―…”
「―というのが向こうの未来さん像のようです」
「相変わらずふざけた世界ね。しかもイロハが邪悪って腹立つなー」
元の世界へと帰還した少女の言葉に、彼女に攫われてきた魔術師は苦笑するのみ。 |
気に入って下さる作品があれば、幸いです。
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